塾長の想い　その２５

2019/10/17

人の命を守る行動

先週の火曜日（１０月８日）、仕事から帰ってくると、
近所の人が大量の水を運んでいるのに出くわしました。
「ははっ、どうしたんですか、すごいですね」
私がのんきに尋ねると、
「いや、ふだんはこんなに買わないんですがね。
半端でないヤバイ台風が来るから」
「えっ？　いつ来るんですか」
「土曜の夜か日曜の朝」

家に帰ってテレビをつけると、ほんとそのようなので、
離れて暮らしている子供たちにラインで警戒を呼びかけました。
しかし、その頃はまだ、それほど危機感を覚えていませんでした。

水曜日には、テレビで、できれば１週間分の食料を買っとけとか言ってます。
買い物に出ると、ほんとにみんな大量に買ってるようでした。

木曜日、二人の子供のうちの一人の職場が１２日はお休みになりました。
レッスンでは、生徒さんが窓にテープを貼ったとか、詰め物をしたとかという
作文を書いておられました。
家に帰ってくると、火曜日に水を運んでいた隣人の息子さんに会ったんで、
「断水になったりしないですよね？？？」と
希望的観測を言ってみると、
「なにがあるか分からないですよね」とにっこり。
ラグビーも、１２日の試合が二つ、キャンセルになりました。
これはヤバイ、確かにヤバイ、とさすがに実感し、
まずは土曜日の夜７時からのディスカッションをお休みにしました。
えいごのもりでは、これまでに大雨の日や、大雪の日に、
なぜか英語でディスカッションをしたくなるという方もいらっしゃり、
その希望を叶えてまいりましたが、
さすがに今回は無理だと思いました。
さて、では個別のレッスンはどうしたものかと迷っていたら、
生徒さんのほうからキャンセルの連絡が入ったので、
土、日、終日のお休みを決心しました。

さて、自分のことが解決すると、今度は
もうひとりの子供のことが心配になりました。
１２日にシフトが入っているのに、まだお休みの連絡が入らない。

金曜日はパソコンで「明日出勤」を「リアルタイム」で検索しまくりました。
なんと！　スーパー台風の中、出勤しろと命じられている人たちが、かなりたくさんいるのです。
そんな！　鬼のような経営者がこの国にはたくさんいるのですか！！！

それでも子供の職場は休みになってほしいと、
「休みになったよー」の連絡を今か今かと待っていてもその気配がない。
うわああああああ！！！　なぜだ！！！　ホワイトな会社じゃなかったのか！
もう、居ても立ってもいられなくなって、
厚生労働省と内閣府にメールをしました。
「緊急です。すべての職場に、出勤命令を禁止してください。」
みたいなことをパニックになりながら送ったんですが、
さあ、次はどこに送ろう…市長か？いや県知事か、間違えた都知事…
と思っていたところに
「明日、お休みになったよ」と、子供から連絡が入りました。
内閣府、厚生労働省、ありがとう。（いや、関係ないと思う）

それでも、ネットを見たら、相変わらず「明日、出勤」というつぶやきが、
かなりたくさんあるのです。

そして、土曜日。
テレビをつけると、そこには状況を伝えるアナウンサーの姿が。
このひとたちは、どうやってスタジオに入ったのでしょう。泊りでしょうか。

それから介護施設の方、医療関係の方、消防の方、警察の方。市職員の方。
こういった方々も、働いていらっしゃったのですよね。
頭が下がる想いです。

しかし、私が驚いたのは
一般社団法人あじいるとかいうとこです。
なんとここは、
『12日に上野駅周辺へ行き、ホームレスたちに台東区の自主避難場所の一つである忍岡小学校に避難するよう勧め』、
ホームレスの一人が受け入れを断られると、わざわざ団体が小学校に行って、区の職員に確認したんですか？？？　あの台風の中。
利他行動にもほどがありますね。
すごいなあ。