塾長の想い -BLOG-
塾長の想い その30
2019/11/01
問題は酸素ではなく
グレタ・トゥンべりさんが、10月29日に、
北欧理事会とやらの環境賞受賞を拒否したそうです。
「これ以上、賞は必要ない」と言って、
賞金35万デンマーク・クローネ(約570万円)も受け取らないとか。
これに対して、Yahoo!コメント略してヤフコメにおいて、
『賞金を全額、アマゾン火災に寄付するとかしたらよかったのに』
という意見を目にしました。
そのコメントに対しても、多くの声が寄せられていたのですが、
私が注目したのは、
『アマゾンの森林で生み出されている酸素は全て、
そのアマゾンに住む生物で消費されてしまっているらしいぞ。』
という意見です。
いや、しかし、うーん、そりゃ、そうだろうけど、
そういうことではなくて…
と思いながらも、
「アマゾン火災 森林 酸素」で検索をかけると
『「アマゾンは地球の酸素の20%を生産」は誤り』
『アマゾン火災 熱帯雨林が燃えても酸素は大丈夫』
『アマゾンは「地球の肺」ではない』
などの結果が出てきます。
これだけ見ると、まるでアマゾン火災が
それほどのことではないみたいじゃないですか。
たしかにマクロン大統領がツイッターで使った
『地球の酸素の20%を作り出す肺』という表現は
誤りだったのかもしれませんが、だからといって
アマゾンの火災を過小評価されては困るような。
AP Explains : Role of the Amazon in global climate change
(August 28, 2019)という記事をご覧ください。
While it’s commonly said that the Amazon produces 20 %
of the world’s oxygen, climate scientists say the figure is
wrong and the oxygen supply is not directly at risk in any case.
That’s because forests, including the Amazon, absorb roughly
the same amount of oxygen they produce. Plants do produce
oxygen through photosynthesis, but they also absorb it to grow,
as do animals and microbes.
ここまではたしかに、20%という数字が間違っていること、
植物が光合成でつくった同じ量の酸素を生物が吸収していることが
記されています。
しかし、続けて、こう書かれているのです。
That doesn’t mean the fires aren’t a problem for the planet. The
Amazon is a critical absorber of carbon of carbon dioxide,
a greenhouse gas produced by burning fossil fuels, like oil and coal.
アマゾンはものすごく重要な炭素吸収体なのだから
火災はやはり地球にとって問題なんです。
とはいえ、期待されるほど炭素を吸収していないとかいう記事もあるようですが、
それは森林を減らしているせいなんじゃないですかね。