塾長の想い -BLOG-
塾長の想い その130
2024/03/12
笑いのツボ
R-1グランプリを見ていると、Kento Fukayaさんのネタが面白くて、爆笑しました。ところが審査員の評価は、思いのほか低く、困惑。
なぜだ? なぜだ? 私はちょっとおかしいのか?
いや、違う。ネットを見たら、私と同じように思っていた人も結構いて、安心しました。
どういう笑いで笑うかによって、その人の性格が分かる、と漫画雑誌『MAD』に書かれていたことがあります。(それは困りますね。サイコパスだとバレてしまいます)
しかし、私が思うに、その人の性格もあるけど、その人がどういう環境で生きていたか、どんな体験をしたかも、かなりあるんじゃないでしょうか。
昔、帰国子女の友人と一緒に、『愛と追憶の日々』という映画を見に行きました。田舎で育ったヒロインが都会の女性たちのあけすけな会話についていけず、ストレスを溜め、あの人たちはセックス、堕胎、離婚その他をさも普通に話題にする、今度は私のガンのことでも話題にすると良い、と言って、キレていました。すると、次の場面で、パーティー会場にてある女性が、Patty told me you have cancer(パティに聞いたけど、あなたガンですって?)と、とても明るく大声で話しかけてきて、ヒロインがプーっと吹き出すのです。ここで、友人と私が思い切り爆笑したのですが、館内、思い切り埋まっていたのに、笑っていたのは私たち2人だけでした。しかし、今で言うところのああいうKYが、アメリカ人では現実に結構いたので、すごく面白かったのです。(ところで名前はPattyではなかったかも)
その頃、私は渋谷にあった少女まんが教室に通っていました。そこにはとてもカッコいい先生がいて、(のちに有名漫画家と結婚されました)その人の描いたという漫画を、友だちにもらいました。あの人はカッコいいからさぞかし面白い漫画を描くだろうと(なんというルッキズム)期待して読んだところ、全然面白くありませんでした。いつも◯◯先生はカッコいいんだと話していた大学の友だちに、「でも、これはぜんぜん面白くなかった」とわたしました。「面白くないんだー」と言って手に取った友人、それが数分後には、腹をよじって笑い転げていました。
「な・・・なに、これ! 見た目が派手で、性格が地味なヒロイン? おかし・・・おかし・・・ヒーッ!!面白すぎ!」
そうか。私にはわからないけど、日本で生まれ育った人にはわかる面白さなのかな、と驚いたものです。
ところで、日本ではある時期、いじめ的な笑いが大人気でした。
私はネットで、(おそらく悪い意味で)モラリストと言われてました。あの手の笑いが大嫌いだったんですね。
「クソガキが悪気なく真似するからやめてくれ」と抗議したところ
「安心してください、S Sさん(私のハンドルネームのイニシャル)あれはイジメではありませんよ」
「そんなん知っとるわ。プロが命懸けでやってるネタにケチをつける私のほうがいじめっ子だ。知った上で、言っとる。命懸けでくだらんことやって、悪ガキをクソガキにするな」
すると、お笑い好きな連中が烈火のごとく怒って、「二度とその不愉快な意見を言いにくるな」と袋叩きにされたのでした。イジメ的お笑いを好む人は、自分もイジメが大好きです。
ところがまあ、その後、あの手のお笑いは、本当にすっかり廃れてしまったのです。
優しいお笑いの時代がきました。
ぺこぱ。のお笑いに出会ったときは、そうそう、これこれ、こういうのを求めてたのよ、と思ったものです。
ところがそのあと、しばらくすると、なんか毒のないお笑いばかりになったような気がしました。みんながみんなに気を使いすぎのように思いました。ちょっと思ったことを言うと、なんてひどいこと言うの!とか言われる偽善の時代の到来です。
そんなとき、ウエストランドに出会ったとき、これよ! これ! これ!こういう毒を待っていたのよ、と思いました。
そのあと、毒はあんまり流行りませんでした。高齢者が多くなったからかな。これからはどうも、運鈍根を再評価みたいな??? 知らんけど。
ところで、トランプの演説が、日本語に直すと、かなり過激だと言う人たちがいます。
お前は首だ、とか出ていけ、とか、そんなこと言うべきではないと。いや、しかし、ですね、バイデンがやったことは、何百万人もの命を奪っているのですから(数字は苦手なので正確ではありませんが)それぐらい言ってもぜんぜん構わないと私は思うのです。
それと
You are fired. (お前は首だ)
Get out.(出ていけ)は
タレントだったトランプが昔出ていた
Apprentice(見習い)という番組の決め台詞です。番組を見ていた人たちには、さぞ面白かったことでしょう。